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■平成20年3月1日 労働契約法が施行されました
就業形態が多様化し、労働者の労働条件が個別に決定・変更されるようになり、個別労働紛争が増加しています。この個別労働紛争を解決するための労働契約についての民事ルールをまとめた法律が労働契約法です。
施行された労働契約法の概要は次のとおりです。
1.労働契約の基本ルール
(1)使用者と労働者が「労働すること」「賃金を支払うこと」についての契約内容を、できる限り書面で確認することがトラブルを予防することになります。
(2)有期労働契約の場合には、契約期間が終了したときに契約が更新されるかどうかや、どのような場合に契約が更新されるのかなど、労働契約の更新についても明確にする必要があります。
【有期労働契約の雇止めの予告】
今までは、次のような場合、契約期間の満了する日の少なくとも30日前までに、その予告をしなければならないとされていましたが、新たに「有期労働契約が3回以上更新された場合」が追加になりました。
①1年以下の契約期間の労働契約が更新又は反復更新され、当該労働契約を締結した使用者との雇用関係が初回の契約締結時から継続して通算1年を超える場合
②1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
③有期労働契約が3回以上更新された場合
2.労働契約の締結
(1)使用者と労働者が「労働すること」「賃金を支払うこと」について合意すれば労働契約は成立します。
(2)使用者と労働者の合意により労働者の労働条件が決定します。
(3)事業場に「就業規則」がある場合
(ア)使用者と労働者が労働契約を結ぶ場合に、使用者が ①合理的な内容の就業規則を ②労働者に周知させていた(労働者がいつでも見られる状態にしていた)場合には、就業規則で定める労働条件が労働者の労働条件になります。
※ 使用者が就業規則を机の中にしまっていて、労働者が見 たくても見られない場合などは労働者に周知されていませんので、その就業規則は労働者の労働条件にはなりません。
(イ)使用者と労働者が、就業規則とは違う内容の労働条件を個別に合意していた場合には、その合意していた内容が労働者の労働条件になります。
※ 使用者と労働者が個別に合意していた労働条件が就業規則を下回っている場合には、労働者の労働条件は就業規則の内容まで引きあがります。
3.労働契約の変更
(1)使用者と労働者が合意すれば労働者の労働条件は変更されます。
(2)事業場に「就業規則」がある場合
(ア)使用者が一方的に就業規則を変更しても、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません。
(イ)使用者が就業規則の変更によって、労働条件を変更する場合には次のことが必要です。
①その変更が、以下の事情に照らして合理的であること
・労働者の受ける不利益の程度
・労働条件の変更の必要性
・変更後の就業規則の内容の相当性
・労働組合等との交渉の状況
②労働者に変更後の就業規則を周知させること
※ ただし、「就業規則の変更により変更されない労働条件として合意されていた部分」は、その合意が優先することとなります。(合意内容が就業規則で定める基準に達しない場合を除きます。)
4.労働契約の終了
(1)権利濫用と認められる「在籍出向命令」および「懲戒」は無効となります。
(2)客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効になります。
(3)使用者は、有期労働契約期間中は、やむを得ない事由がある場合でなければ労働者を解雇できません。
(4)使用者は、有期労働契約により労働者を雇い入れる場合、必要以上に細切れにならないように配慮しなければなりません。
社労士事務所マンパワーマネジメントでは、労働契約法に対応した「就業規則」「労働条件通知書、労働(雇用)契約書」の作成・改定をお引き受けしております。また、規則・書式作成・改定後の運用について判例法理、紛争事例を踏まえサポートしております。
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