東北地方太平洋沖地震関連情報

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「東北地方太平洋沖地震と労働基準法Q&A(第2版)」

  東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の発生により、被害を受けた事業場においては、事業の継続が困難になり、または著しく制限される状況にあります。また、被災地以外に所在する事業場においても、原材料、製品等の流通に支障が生じるなどしています。

 このため、厚生労働省では今回の震災に関連し、労働基準法の一般的な考え方などについてQ&Aを取りまとめ、3月18日に第1版を公開しましたが、3月31日にこの第2版が公開されました。 

   第2版では、派遣労働者の雇用管理、解雇、採用内定者への対応、一年単位の変形労働時間制について9つのQ&Aが追加されています。以下は今回は公開されたもののうち、の一つですが内容を取り上げておきましょう。

 

Q3−1
 今回の震災を理由に雇用する労働者を解雇・雇止めすることはやむを得ない対応として認められるのでしょうか。

A3−1
  震災を理由とすれば無条件に解雇や雇止めが認められるものでは、ありません。また、今回の震災の影響により、厳しい経営環境に置かれている状況下においても、出来る限り雇用の安定に配慮していただくことが望まれます。
 解雇については、法律で個別に解雇が禁止されている事由(例:業務上の傷病による休業期間及びその後30日間の解雇(労働基準法第19条)等)以外の場合は、労働契約法の規定や裁判例における以下のようなルールに沿って適切に対応する必要があります。

 

1.期間の定めのない労働契約の場合
 労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と規定されています。

 また、整理解雇(経営上の理由から余剰自認削減のためになされる解雇)については、裁判例において、解雇の有効性の判断に当たり、(1)人員整理の必要性、(2)解雇回避努力義務の履践、(3)被解雇者選定基準の合理性、(4)解雇手続の妥当性、という4つの事項が考慮されており、留意が必要です。

 

2.有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の場合
 ※パートタイム労働者や派遣労働者に多く見られる雇用形態です。
 労働契約法第17条第1項では、「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇するこができない。」と規定されています。
 ※有期労働契約期間中の解雇は、期間の定めのない労働契約の場合よりも、解雇の有効性は厳しく判断される点に留意が必要です。

 また、裁判例によれば、契約の形式が有期労働契約であっても、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っている契約である場合や、反復更新の実態、契約締結時の経緯等から雇用継続への合理的期待が認められる場合は、解雇に関する法理の類推適用等がされる場合があります。個別の解雇・雇止めの当否については最終的に裁判所における判断となりますが、これらの規定の趣旨や裁判例等に基づき、適切に対応されることが望まれます。

 なお、個別の事案につきましては、各都道府県労働局等に設置されている総合労働相談コーナーにおいて、民事上の労働問題に関する相談・情報提供等を行っておりますので、必要に応じてご活用ください。

  都道府県別総合労働相談コーナーはこちらです。

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

 

  また、今回の震災に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合に、解雇をせずに、従業員の雇用を維持するために休業等で対応される場合には、休業についての手当等が支払われ、雇用保険の適用事業所であるなど他の要件を満たせば、雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金が利用できます。これらの助成金の詳細については、Q1-3・A1-3をご覧ください。

 

Q&A(第2版)の全文はこちらから確認することができます
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016u30-img/2r98520000017esn.pdf

 

 

「職場における災害時のこころのケアマニュアル」 

  今回の震災により被災した子どもにストレスが溜まり、心身に影響を及ぼしているというような報道もありますが、災害や事件等の惨事に遭遇した場合、多くの人は強いストレスを感じるものです。このように強いストレスを受けた労働者をケアし、事業主や同僚の労働者等がどのように接するべきかをまとめた小冊子が独立行政法人労働者健康福祉機構から発行されています。

   この小冊子は、JR福知山線電車脱線事故等の凄惨な災害や事件に遭遇し、強いストレスを受けた労働者および家族の心のケアの参考にするために作成されたものであり、すでに完成から6年弱経過していますが、十分に利用できる内容となっています。

 各都道府県の産業保健推進センターでもメンタルヘルスケアを行っているようですが、このような小冊子により、被災労働者の心のケアも行いたいものです。

 

この小冊子はこちらからダウンロードできます。
http://www.lcgjapan.com/pdf/lb01412.pdf

 

 

「被災地で添付書類の簡略措置がとられる賃金立替払制度」 

 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の発生に伴い、健康保険証がない場合でも保険扱いで診療が受けられるといった特例措置が設けられていますが、先日、未払賃金立替払制度に関しても添付書類の簡略化に関する通達が発出されました。

  そもそも未払賃金立替払制度とは、賃金の支払の確保等に関する法律に基づき、企業が倒産したことにより労働者が賃金を受け取れないまま退職を余儀なくされた場合に、その未払賃金の一定の範囲について、独立行政法人労働者健康福祉機構が事業主に代わり支払うというものです。事実上の倒産と考えられるケースで、立替払を受ける場合には事業主の事業活動の状況等に関する事項を明らかにする資料や労働契約書、賃金台帳の写し等を添付しなければならないとされています。

   この点に関して今回の通達では、「添付しなければならない書類を対象事業場が被災したことにより入手できない場合等にあっては、地方公共団体が発行する罹災証明書等、申請者側において入手可能な各種資料を最大限活用することにより、申請にあたっての労働者等の負担をできるだけ軽減する」としています。

  この趣旨は地震のため、事業場において事業活動の停止がやむを得なくなった場合に、実情を踏まえつつ未払賃金立替払が迅速に実施され、早急な救済が図られることにあります。


通達の本文はこちらから確認することができます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015rt9-img/2r9852000001607y.pdf

 

 

「青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の全事業所の保険料納付延長(健康保険料、厚生年金保険料)」

   厚生労働省は24日、東日本大震災で被災した青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県にあるすべての事業所について、申請がなくても厚生年金保険料の納付期限を当面、自動的に延長することを決めました。3月末が納付期限の2月分以降に関して適用します。全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料も同様に扱います。
 新たな期限については、被災状況を見極めた上で今後決定するといいます。
 5県以外でも、被災して全財産の2割以上に損害があった事業所は、申請すれば1年以内に限り納付を猶予される。
 また、厚生年金の保険料また、厚生年金の保険料を免除する検討に入っています。自営業者やパート労働者が加入する国民年金では、すでに被災者の保険料を免除している。

 

 

 

「青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の全事業所の保険料納付延長(労働保険料)」

  厚生労働省は24日、被災地の事業主についての労働保険料の納期限の延長について、発表しました。

 1.労働保険料等の納期限の延長
 (1)今般の地震によって多大な被害を受けた以下の地域に所在地のある事業主等の方に対して、労働保険料等(注1)の納期限の延長を行います。

    青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県(注2)

 

(注1)労働保険料、特別保険料、一般拠出金並びに障害者雇用納付金。
 なお、障害者雇用納付金については、対象地域に主たる事務所の所在地がある事業主が対象となります。
(注2)上記の対象地域については、今後被災の状況を踏まえて見直ししていくこととしています。

 (2)(1)の地域にある事業場の事業主等の方につきましては、地震が発生した平成23年3月11日以降に到来する労働保険料等の納期限が自動的に延長されることになりました。
 なお、労働保険料等の納期限をいつまで延長するかについては、今後、被災者の状況に十分配慮して検討していくこととしています。
(注)延長後の納期限は、災害がやんだ日から2月以内の日を別途告示によって定めることになります。

 (3)具体的には、労働保険料については、多くの事業主の方は本年7月11日が納期限のものから、一部の建設業の事業主の方は、本年3月31日が納期限のものから適用されます。また、障害者雇用納付金については、多くの事業主の方は本年5月16日に納付期限が到来するものから適用されます。
(注)労働保険料及び障害者雇用納付金に係る追徴金及び延滞金であって、平成23年3月11日以降に納期限が到来するものも適用されます。

 

  2.納付の猶予
 (1)1の(1)の対象地域以外の地域にある事業主の方であっても、今般の地震により財産に相当な損失(注1)を受けたときには、3月11日以降に納期限が到来する労働保険料等(注2)について、事業主の方の申請に基づき、1年以内に限り納付の猶予を受けることができます。
(注1)「相当な損失」とは、事業主の全財産の価額に占める災害による損失の額の割合が概ね20%以上の場合であり、損失の額には、保険金又は損害賠償金その他これに類するものにより補てんされた金額を除きます。
(注2)災害の発生により損失を受けた日以降、災害がやんだ日以前に納期限が到来する労働保険料等が対象となります。
(注3)1の(1)の対象地域にある事業主の方においても、延長後の納期限までに労働保険料等を納付することが困難であって、「相当な損失」を受けている場合には、事業主の方の申請に基づき納付の猶予を受けることができます。

 

 

「東北地方太平洋沖地震に伴う労災保険給付の請求に係る事務処理について」

  「東北地方太平洋沖地震に伴う労災保険給付の請求に係る事務処理について」という通達が厚生労働省から発出されました。この通達では今回の地震に伴い、労働者が被災した場合の労災保険給付の請求にかかる業務上外の考え方については、平成7130日付けの事務連絡「兵庫県南部地震における業務上外等の考え方について」(以下、「事務連絡」という)に基づいて判断を行って差し支えないとしています。

  この平成7年の事務連絡では、地震発生時の労災給付に関する基本的な考え方を「天災地変による災害に係る業務上外の考え方については、従来より、被災労働者が、作業方法、作業環境、事業場施設の状況等からみて危機環境下にあることにより被災したものと認められる場合には、業務上の災害として取り扱っているところ」であるとし、その別添において具体的事例も取り上げながら、以下のようにまとめています。

 【業務災害】
 地震により、業務遂行中に建物の倒壊等により被災した場合にあっては、作業方法や作業環境、事業場施設の状況などの危険環境下の業務に伴う危険が現実化したものと認められれば業務災害となる。

<事例1> 作業現場でブロック塀が倒れたための災害
 ブロック塀に補強のための鉄筋が入っておらず、構造上の脆弱性が認められたので、業務災害と認められる。

<事例2> 作業場が倒壊したための災害
 作業場において、建物が倒壊したことにより被災した場合は、当該建物の構造上の脆弱性が認められたので、業務災害と認められる。

<事例3> 事務所が土砂崩壊により埋没したための災害
 事務所に隣接する山は、急傾斜の山でその表土は風化によってもろくなっていた等不安定な状況にあり、常に崩壊の危険を有していたことから、このような状況下にあった事務所には土砂崩壊による埋没という危険性が認められたので、業務災害と認められる。

<事例4> バスの運転手の落石による災害
 崖下を通過する交通機関は、常に落石等による災害を被る危険を有していることから、業務災害と認められる。

<事例5> 工場又は倉庫から屋外へ避難する際の災害や避難の途中車庫内のバイクに衝突した災害
 業務中に事業場施設に危険な事態が生じたため避難したものであり、当該避難行為は業務に付随する行為として、業務災害と認められる。

<事例6> トラック運転手が走行中、高速道路の崩壊により被災した災害
 高速道路の構造上の脆弱性が現実化したものと認めら、危険環境下において被災したものとして、業務災害と認められる。

 

 【通勤災害】
 業務災害と同様、通勤に通常伴う危険が現実化したものと認められれば、通勤災害となる。
 

<事例1> 通勤途上において列車利用中、列車が脱線したことによる災害
 通勤途上において、利用中の列車が脱線したことは、通勤に通常伴う危険が現実化したものであることから、通勤災害と認められる。
 

<事例2> 通勤途上、歩道橋を渡っている際に足をとられて転倒したことによる災害
 通勤途上において、歩道橋を渡っている際に転倒したことは、通勤に通常伴う危険が現実化したものであることから、通勤災害と認められる。

 

 これらの事例は、労災と認められる場合の事例となっていますが、あくまでも単に地震で被災したような場合は業務起因性が否定され、労災の給付がなされないという原則を押さえた上で、そもそも一定の危険な状態が存在した場合に業務起因性が認められるという判断を行うことが求められます。現実には事案ごとに判断されるため、地震発生時に怪我をしたことを一律に判断するのではなく、地震発生前の状況もヒアリングし、適切に処理することが求められます。

 

 通達の本文はこちらから確認することができます。
http://www.lcgjapan.com/pdf/jishin_rousai.pdf  

 

 

 

 「東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A」

  厚生労働省労働基準局労災補償部より「東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A」という事務連絡が都道府県労働局労働基準部あてに行われました。これは、震災・津波に遭遇した場合の労災保険の取扱いをQ&Aとして作成されたものであり、被災者やその遺族にわかりやすく説明するために事務連絡として通知されました。代表的なものに関しては以下のようなものがありますが、実に16ページにわたり、非常に具体的な34のQ&Aが掲載されています。

 

 【業務災害関係】
 仕事中に地震や津波に遭遇して、ケガをしたのですが、労災保険が適用されますか?

 仕事中に地震や津波に遭い、ケガをされた(死亡された)場合には、通常、業務災害として労災保険給付を受けることができます。これは、地震によって建物が倒壊したり、津波にのみ込まれるという危険な環境下で仕事をしていたと認められるからです。「通常」としていますのは、仕事以外の私的な行為をしていた場合を除くためです。

 

 【通勤災害関係】
 地震で電車が止まってしまったので、4時間歩いて家に帰りました。その時にケガをした場合、通勤災害になりますか?

 普段通勤に使用している電車等がその運行状況によって使用できずに、歩いて帰らざるを得ない状況であれば、通勤と認められます。なお、この場合でも途中で逸脱や中断をした場合は通勤ではなくなりますので、気をつけてください。

 

 【診療費関係】
 会社から避難中にケガをし、保険証もなかったので全額自己負担で受診しました。今から申請できますか?

 今回の震災では、労災請求される場合に
 (1)任意の様式で請求できること
 (2)事業主や診療した医師の証明がなくても受け付けること
などの弾力的な運用をしています。病院に行かれた場合には、労災で受診したいと医療機関に申し出てください。また、労災保険に関する総合的な出張相談を実施しています。この相談窓口で必要な用紙や書き方の説明の外に請求書も受け付けていますのでご活用ください。

 

 【年金関係】
 震災で年金証書を消失(紛失)してしまいましたが、再発行はできるのでしょうか?

 年金証書を消失(紛失)した場合でも年金証書の再発行を受けることが出来ます。最寄の労働基準監督署で「年金証書再交付申請書」をお渡ししますので、速やかに年金の支給決定を受けた労働基準監督署へ提出してください。なお、労働基準監督署が震災のために閉鎖しているところもあります。その場合には、最寄の監督署、労働局又は出張相談を行っていますのでご活用ください。

 

Q&Aの全文はこちらから確認することができます
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015vli-img/2r9852000001653g.pdf  

 

 

  「雇用保険失業給付の特例措置について」 

 厚生労働省は事業所が災害を受けたことにより休止・廃止した労働者などを対象に、雇用保険失業給付の特例措置を設けました。以下、その概要について取り上げます。

 

 1.雇用保険失業給付の特例措置について
(1)概要
  @事業所が災害を受けたことにより休止・廃止したために、休業を余儀なくされ、賃金を受けることができない状態にある方については、実際に離職していなくても失業給付(雇用保険の基本手当)を受給できます(休業)。
  A災害救助法の指定地域にある事業所が災害により事業が休止・廃止したために、一時的に離職を余儀なくされた方については、事業再開後の再雇用が予定されている場合であっても、失業給付を受給できます(離職)。
  ※災害により直接被害を受け、事業所が休止・廃止になり、休業した場合または一時的な離職をした場合が対象となります。
  ※上記の失業給付は、雇用保険に6か月以上加入しているなどの要件を満たす方が対象となります。

 (2)特例措置の利用に当たっての留意事項
  上記@に該当する方は、働いていた事業所がハローワークに「休業証明書(通常の離職証明書と同様の様式)」を提出していることが必要です。来所される際に、事業主から交付される「休業票」をご持参ください。
  上記Aに該当する方は、働いていた事業所がハローワークに「離職証明書」を提出していることが必要です。来所される際に、事業主から交付される「離職票」をご持参ください。
  ※事業所から「休業票」や「離職票」を受け取れる状態にない場合は、その旨、ハローワークにご相談ください。
  この特例措置制度を利用して、雇用保険の支給を受けた方については、受給後に雇用保険被保険者資格を取得した場合に、今回の災害に伴う休業や一時的離職の前の雇用保険の被保険者であった期間は被保険者期間に通算されませんので、制度利用に当たってはご留意願います。

 

2.ハローワークへ来所できない方々の「失業の認定日」の取扱いについて
 雇用保険失業給付を受給している方が、災害のため、指定された失業の認定日にやむを得ずハローワークに来所できないときは、電話などでご連絡をいただければ、失業の認定日を変更することができます。

 

 3.居住地管轄ハローワーク以外での失業給付の受給手続きについて
 交通の途絶や遠隔地への避難などにより居住地を管轄するハローワークに来所できないときは、来所可能なハローワークで失業給付の受給手続きをすることができます。

 

 詳細はこちらから確認することができます。
http://www.lcgjapan.com/pdf/koyouhoken07.pdf
  

 

 

 

 「東北地方太平洋沖地震と労働基準法Q&A(第1版)」

   東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の発生により、被害を受けた事業場においては、事業の継続が困難になり、または著しく制限される状況にあります。また、被災地以外に所在する事業場においても、鉄道や道路等の途絶から原材料、製品等の流通に支障が生じるなどしています。

  このため、厚生労働省では今回の震災に関連し、労働基準法の一般的な考え方などについてQ&Aを取りまとめました。今回公表された第1版では、地震に伴う休業に関する取扱いについて記載されています。今後、賃金や解雇等の労働者の労働条件について使用者が守らなければならない事項についても、順次更新していくとのことですが、まずは今回公表された第1版の内容について取り上げます。

 

Q1 今回の被災により、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合にどのようなことに心がければよいのでしょうか?
A1
  今回の被災により、事業の休止などを余儀なくされた場合において、労働者を休業させるときには、労使がよく話し合って労働者の不利益を回避するように努力することが大切であるとともに、休業を余儀なくされた場合の支援策も活用し、労働者の保護を図るようお願いいたします。

 

Q2  従来、労働契約や労働協約、就業規則、労使慣行に基づき、使用者の責に帰すべき休業のみならず、天災地変等の不可抗力による休業について休業中の時間についての賃金、手当等を支払うこととしている企業が、今般の計画停電に伴う休業について、休業中の時間についての賃金、手当等を支払わないとすることは、適法なのでしょうか?
A2
  労働契約や労働協約、就業規則、労使慣行に基づき従来支払われてきた賃金、手当等を、今般の計画停電に伴う休業については支払わないとすることは、労働条件の不利益変更に該当します。このため、労働者との合意など、労働契約や労働協約、就業規則等のそれぞれについての適法な変更手続をとらずに、賃金、手当等の取扱いを変更する(支払わないこととする)ことはできません。なお、企業側の都合で休業させた場合には、労働者に休業手当を支払う必要があり、それについてQ4〜9において、最低労働条件として労働基準法第26条に基づく休業手当に係る取扱いを示したものでありますが、労働契約や労働協約、就業規則、労使慣行に基づく賃金、手当等の取扱いを示したものではありません。

 

Q3  今回の地震のために、休業を実施しようと思います。この休業に伴い、休業についての手当を支払う場合、雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金を受給することはできますか。実施した休業が労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当するか否かでその扱いは異なるのですか。また、計画停電の実施に伴う休業の場合は、どうでしょうか?
A3
  雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金は、休業等を実施することにより労働者の雇用の維持を図った事業主に休業手当等の一部を助成するものです。今回の地震に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合は、雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金が利用できます。「経済上の理由」の具体的な例としては、交通手段の途絶により原材料の入手や製品の搬出ができない、損壊した設備等の早期の修復が不可能である、等のほか、計画停電の実施を受けて事業活動が縮小した場合も助成対象になります。本助成金は、労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業に該当するか否かにかかわらず、事業主が休業についての手当を支払う場合には助成対象となり得ます。このことは、計画停電に伴う休業であっても同様です。助成金を受給するには、休業等実施計画届を提出するなど、支給要件を満たす必要がありますので、詳しくは、最寄りのハローワークにお問い合わせいただくか、厚生労働省のホームページをご覧ください。

 

Q4  今回の地震で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け労働者を休業させる場合、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」による休業に当たるでしょうか?
A4
  労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。ただし、天災事変等の不可抗力の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。ここでいう不可抗力とは、@その原因が事業の外部より発生した事故であること、A事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。今回の地震で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け、その結果、労働者を休業させる場合は、休業の原因が事業主の関与の範囲外のものであり、事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故に該当すると考えられますので、原則として使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないと考えられます。なお、Q2、A2もご覧ください。

 

Q5 今回の地震により、事業場の施設・設備は直接的な被害を受けていませんが、取引先や鉄道・道路が被害を受け、原材料の仕入、製品の納入等が不可能となったことにより労働者を休業させる場合、「使用者の責に帰すべき事由」による休業に当たるでしょうか?
A5
 今回の地震により、事業場の施設・設備は直接的な被害を受けていない場合には、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当すると考えられます。ただし、休業について、@その原因が事業の外部より発生した事故であること、A事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たす場合には、例外的に「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しないと考えられます。具体的には、取引先への依存の程度、輸送経路の状況、他の代替手段の可能性、災害発生からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます。なお、Q2、A2もご覧ください。

 

Q6 今回の地震に伴って計画停電が実施され、停電の時間中を休業とする場合、労働基準法第26条の休業手当を支払う必要はあるのでしょうか?
A6
 今回の地震に伴って、電力会社において実施することとされている地域ごとの計画停電に関しては、事業場に電力が供給されないことを理由として、計画停電の時間帯、すなわち電力が供給されない時間帯を休業とする場合は、原則として、労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業には該当せず、休業手当を支払わなくても労働基準法違反にならないと考えられます。なお、Q2、A2もご覧ください。

 

Q7 今回の地震に伴って計画停電が実施される場合、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて1日全部を休業とする場合、労働基準法第26条の休業手当を支払う必要はあるのでしょうか?
A7
 計画停電の時間帯を休業とすることについては、Q6の回答のとおり、原則として、労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないと考えられますが、計画停電の時間帯以外の時間帯については、原則として労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業に該当すると考えられます。ただし、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められる場合には、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当せず、休業手当を支払わなくても労働基準法違反とはならないと考えられます。なお、Q2、A2もご覧ください。

 

Q&Aの全文はこちらから確認することができます
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015fyy.pdf

 


 

  「雇用調整助成金の支給要件緩和について」

   厚生労働省より雇用調整助成金の支給要件緩和についての発表がありました。

  雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用を維持するために、一時的に休業等を行った場合に、当該休業等に係る休業手当相当額等の一部を助成する制度であり、リーマンショック以降、支給要件が大幅に緩和され、利用する事業主が急激に増加しました。 今回、この助成金の支給要件に「東北地方太平洋沖地震被害に伴う「経済上の理由」で事業活動が縮小した場合」が追加されました。なお、東北地方太平洋沖地震を直接的な理由(避難勧告・避難指示など法令上の制限を理由とするもの等)とした事業活動の縮小については、「経済上の理由」に該当しないとされており、助成金の対象外であることに注意が必要です。

 

 [緩和後された支給要件]
 青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県のうち災害救助法適用地域に所在する事業所の場合、今回の地震に伴う経済上の理由により最近1か月の生産量、売上高等がその直前の1か月又は前年同期と比べ5%以上減少していれば対象となる。なお、平成23616日までの間については、災害後1か月の生産量、売上高等がその直前の1か月又は前年同期と比べ5%以上減少する見込みの事業所も対象となる。また、同日までの間に提出した計画届については、事前に届け出たものとして取り扱われる。

 

 [具体的な活用事例]

  ・交通手段の途絶により、従業員が出勤できない、原材料の入手や製品の搬出ができない、来客が無い等のため事業活動が縮小した場合。
  ・事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり生産量が減少した場合。
  ・避難指示など法令上の制限が解除された後においても、風評被害により観光客が減少したり、農産物の売り上げが減少した場合。
  ・計画停電の実施を受けて、事業活動が縮小した場合。 具体的な活用事例には、計画停電に関することも記載されており、首都圏を中心に活用される事例が増えそうです。 

 

 

  「東北地方太平洋沖地震被害に伴う雇用調整助成金の活用Q&A」

   厚生労働省から「東北地方太平洋沖地震被害に伴う雇用調整助成金の活用Q&A」が公表されました。このQ&Aは雇用調整助成金の中でも基礎的なことが多く記載されていますが、これまでに申請を行ってきていない企業にとっては参考になるかと思います。以下、Q&Aの内容を取り上げておきましょう。

 

Q1 雇用調整助成金とはどのような制度ですか?
A1 雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するために、休業等を実施し、休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度です。具体的には、「最近3か月の生産量、売上高等がその直前の3か月又は前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主」が対象となります。なお、中小企業緊急雇用安定助成金は、中小企業向けに雇用調整助成金の助成内容を拡充したもので、直近の決算等が赤字の場合、生産量等の減少が5%未満であっても対象となります。

 

Q2 震災により事業所が損壊し、仕事ができなくなってしまった場合も雇用調整助成金は使えますか?
A2 雇用調整助成金は、あくまでも経済上の理由により事業活動が縮小した場合に利用できる制度なので、震災による事業所の損壊が事業活動縮小の直接的な理由である場合は利用できません。ただし、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり、事業活動が縮小した場合については利用できます。
※震災による事業所の損壊により事業を休止する場合、激甚災害の指定に伴う雇用保険の特例により、賃金を受けることのできない労働者に対して失業手当を支給する制度がありますので、こちらの活用をご検討ください。

「東日本大震災被災者の雇用保険失業給付の特例措置」はこちらです。
http://www.lcgjapan.com/pdf/koyouhoken07.pdf
 

 

Q3 計画停電による休業も雇用調整助成金の対象となりますか?
A3 計画停電により事業活動が縮小し、休業に係る手当等が支払われ、Q1にある事業主の要件を満たした場合は対象となります。

 

Q4 雇用調整助成金の支給額はどのくらいでしょうか?
A4 雇用調整助成金は、事業主が休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額に対し、以下の助成率で支給しています。なお、事業主が解雇等を行っていないなど、一定の要件を満たした場合は、カッコ内にある助成率となります。
 ・大企業 : 2/3 ( 3/4 )
 ・中小企業: 4/5 ( 9/10
 ※上限額は、大企業、中小企業ともに1人1日当たり7,505円です。
 ※中小企業向けの雇用調整助成金は中小企業緊急雇用安定助成金といいます。

 

Q5 雇用調整助成金を受給するためには、具体的にどのような手続きが必要ですか?
A5 雇用調整助成金を受給するためには、上記Q1に該当する事業主であることを示す書類を提出するとともに、これにあわせて休業等の計画を事前に届け出る必要があります。詳細な要件については、お近くのハローワーク又は都道府県労働局にお問い合わせください。 

 

Q6 岩手県内の事業所で、既に休業を実施しているのですが、遡って受給することはできませんか?
A6 青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県のうち災害救助法適用地域に所在する事業所の場合、本来、事前に提出する必要がある休業等の計画について、事後に提出しても最大で平成23311日まで遡って提出したものとみなす特例を実施しています。また、生産量、売上高等の確認期間も「最近3か月」ではなく「災害後1か月の見込み」で行うことができます。※平成23616日までの特例です。

 

 

   「東北地方太平洋沖地震 関連対策について」

  厚生労働省では、現地連絡本部を設置し、被災状況を把握するとともに、各種の救援・支援対策に当たっています。

 

 <主な対策>
  ・被災された方は、被保険者証がなくても医療機関での受診ができます。
  ・保険者の判断により、健康保険の一部負担金の減免や保険料の納付期限の延長などができます。
  ・被災地域の事業所へは、厚生年金保険料及び労働保険料等の納付期限の延長・猶予を行います。
  ・事業所が災害を受け、事業を休止したなどの理由により就労ができず、賃金を受けとれない状態にある方は、失業給付が受給できます。
  ・被災された方の失業給付は、住所地以外のハローワークでも受給できます。
  ・緊急避難している方の一時入居先、緊急避難場所として雇用促進住宅を提供します。
  ・労災保険給付の請求に関して、事業主や病院などの証明が困難な場合は、証明がなくても請求を受け付けます。また、今回の地震に伴う傷病の業務上外等の考え方についてのお問い合わせは労働局でお受けしております。 

 

なお、これまで発出された通知等はこちらから確認することができます。
http://www.lcgjapan.com/pdf/bessi3.pdf